睡眠時間のカイゼン・効率化が出来ないかと思い、会社の人が良いとおっしゃっていたのもあったので読んだ。
所感
自分はいわゆる外資系や商社をイメージする働き方はしたことがないが、8時出社24時退社くらいの勢いで働いたときもあって、 睡眠をおろそかにしていた。今はそんなことはないが睡眠導入剤を使っていた時期もあった。ある程度睡眠時間を用意しても 日中うとうとすることもあって、睡眠をもっとうまく取る方法がないか考えていたので読んでみようと思った。
WHY(なぜ睡眠が大切なのか?)を知ることができる
この本には如何に睡眠が日々の生活に精神的・肉体的に影響を及ぼすかが記載されている。
著者はハフィントン・ポストの創業者であるアリアナ・ハフィントン氏。
著者自身が一日の睡眠時間3~4時間で過ごし、家庭と仕事に精を出す俗に言うバリキャリだったが、睡眠不足で倒れ、睡眠について見直すことになったらしい。
その調査量は膨大で、電子書籍版だとページ数の25%が注釈のページだった(!!)。
- 睡眠不足は脳内物質にも影響し、注意力や認知能力に影響している可能性が高く、記憶力も低下する
- 24時間眠らないと酒気帯び運転状態に相当する判断力の低下が発生する
- ショートスリーパーは遺伝子変異によるもので、後天的に得られる能力ではない
- スポーツにおいても睡眠は重要。40ヤード走の結果が良くなる。時差を伴う遠征が多いチームは成績が悪い
睡眠時間を改善したことで、スリーポイントの成功率が2倍、ファウル数が45%低下したNBA選手もいるらしい。 知的活動に睡眠時間が大きく影響しそうなことはなんとなくわかっていたが、スポーツなどの肉体的活動にまでここまで影響をおよぼすことは知らなかった。 脳に及ぼす影響も思った以上にあり、睡眠不足に恐怖を感じた。
HOW(どうすればよりよい睡眠が得られるか?)の割合は少なめ
WHYがありとあらゆる角度から言及されている反面、「では実際どのようにすれば睡眠の質が向上するのか?」に対する言及は少しだった。 (冒頭に書いたとおり、睡眠の改善方法を探していたので自分の期待値が大きすぎたのかもしれない。) とはいえ、本の全体的なボリュームに対する割合の話なので、HOWについてもいろいろな角度のアドバイスが記載されている。 ざっくりとHOWについて書かれていたことは以下。
- 睡眠を促すホルモン(メラトニン)が抑制されるため、寝室は暗くする
- 電子機器のブルーライトは避ける。寝室に電子機器入れないのが望ましい
- 眠るのに適切な温度は16~19度
- できるときに運動を(適した時間はあるが、運動のために睡眠時間を削ったり無理をするのは本末転倒のため)
- カフェインは避ける。カルシウムなど睡眠に適した栄養素を取る
- 寝る前に食事はしない(消化には2~3時間かかる)。
- アルコールは寝付きはよくなっても睡眠の質は低下する
他にもパートナーとの睡眠に対してなど。時差に対する対策やマインドフルネス(瞑想)についての言及もあったのが、アメリカっぽいなと感じた。 ただ一番大事なことは 「1日を終える」という考えと折り合いをつけることとのこと。外界からの刺激から離れて「静けさ」を手に入れるのが質の良い睡眠とのことだった。 それは寝る前に過去を振り返ったり、明日の心配をする後悔や不安も含まれる。この辺の解消方法は同じく会社の人がよいと言ってた別の本で学べたので後日また書評に書く。
終わりに
この本を読んだ後でも「睡眠時間を削ってでも仕事を終わらせる」という気持ちにはなれないだろう。それくらい睡眠の重要性について知ることができる本だった。 すぐに生活習慣をカイゼンすることは難しいが、少しずつ取り込んでいきたい。