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Jan 7, 2022 - 4 minute read - Comments - review

[書評]ユニコーン企業のひみつ

チームトポロジーの前に読んでおこうと、今更ながらユニコーン企業のひみつを読んだので書評を書いておく。 物理本はA5サイズで図もふんだんなため3時間くらいで読めた。

所感

Spotifyの取り組みを中心に「テック企業(イケてるIT企業)の組織運営はどんな風に考えられているのか」を紹介する本だった。 Spotifyが当時どのような課題感・目的でどのような組織体制を組んでいたかが紹介されている。 Spotifyの組織体制については界隈ではすごく有名だったらしくいろいろな内容がネットには公開されている。

Spotifyは “Spotifyモデル"をもう使っていないらしく、私自身もあまり真似しようと思っていなかったためSpotifyの「組織体制」についての話ならばとくに読まなくてもいいかなと思っていた。
しかし、本著はSpotifyモデルを礼賛するものではなくあくまで「こういう目的・目標目標があり、文化があり、それを実現するための事例としてSpotifyモデルを紹介する」という本だった。
解決したい目標自体はどのようなテック企業(エンジニアリング組織)でも目指したいミッション型組織、学習とフィードバックを高速に繰り返しながらリリースを繰り返す姿である。
そのため、普段ちゃんと言語化できていなかった文化や求める姿勢が多数明文化されていて非常に参考になった。
チームや組織について考えるときに読むと非常に参考になる本だった。

どんな本なのか

Amazonより引用

大規模な成功を収めているテック企業(ユニコーン企業)は、スタートアップで機能していたテクニックをエンタープライズ企業レベルにまでスケールさせる方法を見いだし、日々実践しています。Amazon、Facebook、Googleなどは、何万人もの従業員を抱えているにもかかわらず、スタートアップのように働いています。本書はSpotifyでアジャイルコーチやエンジニアの経験を持つ著者がユニコーン企業のソフトウェアづくりと働き方を解説します。 ミッションによってチームに目的を持たせ、スクワッドに権限を与え、信頼する。カンパニーベットを通じて大規模な取り組みを調整する。このような働き方とそれを実現するための文化のあり方を解説し、複数チームが連携しながら質の高いプロダクトを早くリリースし、迅速に技術革新を行うための方法を学びます。 プロダクトのデリバリーにフォーカスする世界有数のテック企業の事例を紹介する本書は、デリバリープロセスやプロダクト組織自体を改善したいエンジニアやマネージャー、経営リーダー必携の一冊です。

なぜ読もうと思ったのか

チームや組織について考える必要が出てきた。自分たちはどんな組織を目指したいのか、誤解を恐れず一言で言えば「GoogleやNetflix、Spotifyのようなイケてるエンジニアリングチームになりたい」だろう。 そのような組織がどんな文化を持っているのか、どんなメンタルモデルや開発スタイルを持って実現しているのか参考にしたかった。

読んでわかったこと

  • ミッション型組織の重要性
    • チームの自発性を高める
    • 目的を意識させる
    • 仕事そのものにフォーカスさせる
  • 自律的な組織・チームを作るには「権限を与えること」「信頼すること」
  • 文化を維持する重要性
  • 学習と実行を高速に繰り返す。
    • イテレーションを短くすることで価値は早く実現し、品質も高まる
  • 学習を高速に繰り返すには実行を評価するデータサイエンスがキー

文化や価値観を守るためには、気が進まない局面であっても行動をとる。なぜなら、文化は流れていくに任せてしまうと、取り戻すのが難しくなってしまうからだ。だからこそSpotifyはその文化を強めることに力を入れているのであり、職場に文化が息づくことに多大な労力を費やしている。

文化とは言葉ではなく行動によって表されるものである、というのはWHO YOU AREにも書いてありそうだよなと思った。

今後どう活かすのか

自分たちのチームを本著と完全に一緒にしたいわけではない。本著にもコピーするだけではうまくいかないと再三述べられている。 本著の内容をいま自分たちが目指したいもの、言語化できていないことをうまく整理するヒントとして活用していきたい。

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